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東伊豆町民インタビュー 鈴木拓海さん、太田乃善さん(前編)

太田
太田
今回はマイカー移動を活用した公共交通「ノッカルひがしいず」(以下、「ノッカル」表記)の事業を担当している、東伊豆町役場企画調整課の鈴木拓海さん、現役ドライバーの太田乃善(のりよし)さんにインタビューさせていただきます!
今回のインタビューは前編に鈴木さんからノッカルについての説明、後編にドライバーの太田さんのお話をお伺いしていく、二部構成となっています。
鈴木さん、早速ですが「ノッカル」の説明をしていただいてもよろしいでしょうか?

はい!「ノッカル」とは、ご近所さんの自家用車でのお出かけのついでに「乗っかる」ことができる助け合いの気持ちをカタチにした公共交通サービスです。東伊豆町は人口減少や少子高齢化などの影響によりドライバー不足が引き起こされ、公共交通網の維持が難しい公共交通空白地です。自家用車を持っていない交通弱者の方の移動手段を確保し、町全体の移動量を増やすことが目的として、2024年2月から導入されました。
交通弱者の方が気軽に出かけられるようにすることで社会全体や地域コミュニティへの参加を促したり、町内での消費活動にもつなげたりすることができるので、町全体のメリットにもつながるのです。
鈴木さん
鈴木さん

太田
太田

わかりやすく説明していただきありがとうございます!

ノッカルはタクシーのように目的地まで送ってもらえるのでしょうか?それともバスのように決められた停留所まででしょうか?

あらかじめ決められている複数の停留所のみを周るので、どちらかというとバスに近い形態ですね。停留所といっても看板などはなく、公共施設やマンション、お店などが停留所の代わりとなっています。

他の公共交通機関との大きな違いといえば利用前の会員登録や乗車チケットの購入、利用日前日の17時までに予約が必要な点でしょうか。

鈴木さん
鈴木さん
太田
太田

近年は核家族が増えている影響もあり、年配のご夫婦だけで住まわれている家庭やおひとりで暮らされている高齢者も増えてきている印象です。誰かに頼ることが容易ではない状況だからこそ地域での助け合いが大切になってきますよね。

今後は町内全域での運行を目指しているということですが、他の公共交通機関との兼ね合いなどは何か考えられているのでしょうか?

ノッカルで全ての移動手段をまかなうというよりも、例えば「目的地までは電車に乗る必要があるけど、それ以前に駅までの移動手段がない」といった、公共交通機関を利用する前に発生する細かな移動を手助けすることを目的としています。そのため電車やバス、タクシーなどの他の公共交通機関と共存しながら、町全体の移動量を増加させられたら理想ですね。

鈴木さん
鈴木さん

太田
太田

健康な若者ならある程度の距離は徒歩で移動できますが、年配の方は難しいですよね。移動のための動線づくりがいかに大切であるかを知ることができてよかったです。

ドライバーさんの確保が重要だということもお話の中で出てきたのですが、現在は何名いらっしゃるのでしょうか?

現在は役場職員を含めた42名です。そのうち職員を除いた一般ドライバーの方は13名となっています。もちろん僕もドライバーとして運転したことがありますよ。

ドライバーの条件としては年齢が75歳以下であること、スマートフォンの操作ができること、交通空白地有償運送運転講習を受けることなどです。

鈴木さん
鈴木さん
太田
太田

役場職員の方々も登録されているのですね。ドライバーさんはお出かけのついでに住民の方々を送迎するとのことでしたが、ついでだとしても何か報酬は得ることはできるのでしょうか?

もちろんです。ドライバーは乗客から受け取ったチケットの全額を報酬として受け取ることができる仕組みとなっています。同じエリア内の移動であれば1名につき200円、エリアを超えた移動の場合は1名につき最大800円の報酬となります。

しかしガソリン代や車両保険代などはドライバー負担となるため、運行する距離によっては赤字になってしまうケースもあります。助け合いをカタチにしているといってもドライバーばかりが損をするサービスでは不平等です。そのためドライバーは地域貢献をしながら報酬も獲得できる、利用者は今まで得られなかった移動手段を獲得できるといった、お互いに気持ちよく利用できる環境が実現できるよう、今後もより一層制度の見直しや改善に力を入れていきます。

鈴木さん
鈴木さん
太田
太田

助け合いをカタチにするには一方の善意だけでは成り立ちませんよね。お互いに感謝しあえる関係が大切だと思います。

現時点で「ここを見直したらもっと良くなりそう!」といった改善点、または課題に感じている点などはありますか?

やはりドライバーの善意に頼ってしまっている部分が多いので、もっとドライバーの負担を減らせるようにしたいと考えています。そのためにチケットの値上げや車両の貸し出し、待機時間分の給与の支払いなどができないか検討しています。しかし急に制度を変えようとするとドライバーや利用者が混乱してしまうおそれがあるため、慎重に進めている段階です。

また、最近は利用者の意識改善も課題であると感じています。当初は乗り降りの際に「ありがとう」といってくださる方が多かったのですが、だんだんとノッカルでの移動が当たり前になってしまい、そういった会話のやり取りが少なくなってきたように感じます。そのほかにも「自宅まで送ってほしい」「荷物の積み下ろしもやってほしい」といった、必要以上の要求が増えてきています。お手伝いしたい気持ちは山々ですが、お互いが気持ちよく関わり合えるためにも線引きをはっきりと決め、正しく利用していただけるように明確なルールなどを作っていきたいですね。

鈴木さん
鈴木さん
太田
太田

ありがたい行いも与えられ続けると当たり前になってしまい、感謝の心を持ちにくい状況になりがちですよね。日常生活でも大切なことなので、自分も肝に銘じなければ…。

今後のノッカルについて「こうなったら良いな」と考えているビジョンなどはありますか?

ドライバーや利用者から寄せられた様々なニーズにできるだけ応えられるよう、柔軟に変化し続けられたら一番ですね。

また地域交通をノッカルだけに依存させるよりも、どこまでをノッカルで対応し、どこからを他の公共交通機関に任せるかをはっきりさせることが今後の鍵ではないかと考えています。

鈴木さん
鈴木さん
太田
太田

ありがたい行いも与えられ続けると当たり前になってしまい、感謝の心を持ちにくい状況になりがちですよね。日常生活でも大切なことなので、自分も肝に銘じなければ…。

今後のノッカルについて「こうなったら良いな」と考えているビジョンなどはありますか?

ドライバーや利用者から寄せられた様々なニーズにできるだけ応えられるよう、柔軟に変化し続けられたら一番ですね。

また地域交通をノッカルだけに依存させるよりも、どこまでをノッカルで対応し、どこからを他の公共交通機関に任せるかをはっきりさせることが今後の鍵ではないかと考えています。

鈴木さん
鈴木さん

太田
太田

鈴木さんがおっしゃられていたように、ノッカルと他の公共交通機関がうまく共存することで町内の交通課題の解決につながるのだということがとてもよく理解できました。鈴木さん、ありがとうございました。

後編ではドライバーの太田さんにお話を伺っていきます!