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住む
稲岡郁音さん

東伊豆町民インタビューNO.68 稲岡郁音さん前編

荒武
荒武

本日は今年高校を卒業されて東伊豆を巣立たれる、稲岡郁音さんにインタビューにお答えいただきます。

僕が移住したときはまだ小学生だった稲岡さんが東伊豆を発つ前にぜひ、この町での思い出や稲岡さんの将来展望について伺っていけたらと思います。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。

まず最初に稲岡さんがこの町で暮らしていて思い出深かった出来事についてお教えいただけたらと思います。

 

思い出深いのは小中学校の行事です。

小学校の遠足は、1. 2年生が細野高原の駐車場まで、3. 4年生がアカイミズノタイラという中腹部分、5. 6年生が山頂まで登ります。

上級生になると軍手をつけて道なき道を登るんです。それがすごい大変だったけど、そうやって登る機会は遠足の時以外にないから、地元の自然に触れられる点では、よかったなと思います。

 

稲取ならではの話でいうと、持久走大会のときに風の強い日があって、私の前を走っていた近所の細い子が海沿いの風当たりが一際強いポイントで飛ばされそうになっていたことが印象に残っています。

風の強い日がよくあるので、この町らしさって聞かれるとそういう思い出が連想されるんですよね。

 

冬休みは八幡神社の御札の準備や掃除など年末年始の神社の手伝いがあって、休みって感覚を持ったことがなかったです。

手伝っていることを近所の人が褒めてくれるのでがんばろう!って思えたし、特に嫌だって思ったこともありませんでした。

 

夏のお祭りとかでいうと、今は縮小していますが昔はすごかったです。

期間も長いし、子供会で夜に太鼓を叩く「練り」が思い出深く、お祭りの日は小学校が融通を利かせてくれて午前中で授業が終わり、みんなでおみこしを担ぎに行って、夜に練りに行くということをしていました。

大変だったけど、ずっと友達といられる時間は貴重だったしとても楽しかったです。

今でこそちょっと静かになっちゃったけど、昔は本当に12時過ぎまで大人の練りがにぎやかで、眠れないというのが当たり前でした。

そんなお祭りが縮小しているのは寂しくもあるけど、時代の変化だなと捉えています。

人が少なくなってきているからどうしても大規模に何かをやるということが難しくなっているところがあって、それをどう折り合いつけてやっていくかは父から私に引き継がれる課題になってくるのかなと思っています。

稲岡さん
稲岡さん

荒武
荒武

稲岡さんのお話を伺って、この土地ならではの雄大な自然に立ち向かうたくましい強い心が幼少期から育まれるんだなと、地元のみなさんのルーツを感じることができました。

人口が減っていく中でどのように過去から伝えられてきたものを受け継いでいくのか、お祭りに限らず様々な町のシーンで直面する問題意識ですね。

稲岡さんは神社を継ぐということについてはどのように捉えているのでしょうか?

そこまで使命感があるわけではないのですが、いろいろな仕事がある中で神社の仕事って誰でも経験できるわけじゃないし、一番近くで見てきた仕事だから内容や将来像がはっきりしている安心感があるため、神社の仕事を継ごうという感覚でいます。

なのでこれから大学に進学し、資格を取りに行く次第です。

小さいころから、小学校の将来の夢とかでも神主になるって書いていました。

一番身近な職業だったからこそ、学校の先生の子どもが先生になるみたいな流れに近いんじゃないかな。

八幡様の子って見られるのは、継ぐことを両親が義務として課していなかったから、気が楽でした。

稲岡さん
稲岡さん
荒武
荒武

肩の力を抜いた状態で自分がやりたいことが考えられている稲岡さんが気負わずに将来の選択をできているのには、親御さんのスタンスにゆとりがあったことも理由の一つなんだということがわかりました!

東伊豆で暮らしていて今の町で面白いなと思うことを教えてもらってもいいですか?

この町の強みだと思うことは、小中高から海が見えるということで、内陸の高校に進学したからこそすごく魅力的だったんだなと感じたことです。

高校は田んぼと山に囲まれた景色で、ずっと海を見て育ってきたからちょっと変な感覚というか、、東京に行ってもきっと海が恋しくなるだろうなって思っています。

 

友人は主に三島市や沼津市など、伊豆半島の北側に住んでいて、私たち伊豆半島南部に住む人たちは北部のエリアに休日に出ることがあるのである程度土地勘を持っているけれど、北部の人は南部のことは全然知らないということがわかって、ギャップを感じました。

三島の子たちだと、林間学校でしか下田に行ったことがないとか、むこうの人が南下することってあまりないんだなということがちょっとした驚きでしたね。

 

そういう地元の外の人たちの視点を知るという面では、外に出てよかったなと思いました。

もともとその高校に進学したいと思ったのも、静岡県で初めてできた文系探究コースというカリキュラムに参加したかったから行ってみようかなと思ったのがきっかけでした。

そのコースでは課題研究、地域とか、言語とか、歴史といった限定的なテーマでグループで探求して発表するという授業が受けられるということでそれにすごく魅力を感じました。

稲岡さん
稲岡さん
荒武
荒武

なるほど、海が見えることを強みだと感じたのは、地元の外に出たからだったんですね!

広い視野で自分の進路を考えられていたからこそ得られた外から地元を見るという俯瞰の視点って今後も重宝すると思うので、大切にしていってもらいたいと思いました。

前半では稲岡さんの地元である東伊豆に対してどのような印象を持っているのかなど、昔を振り返ってもらいながらお教えいただきました!

後半は高校進学してからの稲岡さんのご活躍についてや、今後の展望について伺っていけたらと思います。

後編もよろしくお願いいたします!