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東伊豆町民インタビューNO.47 不破花奈実さん

荒武
荒武

本日は東伊豆へ移住された不破花奈実さんにインタビュー。

不破さんは東伊豆の暮らしに魅力を感じてくれ、テレワークが可能な働き方だったということもあり移住をしてくれました。

本日はよろしくお願いいたします。

まずは不破さんが東伊豆に関心を持つようになったきっかけをお教えください!

よろしくお願いします。

最初に東伊豆に訪れた際、北川に一ヶ月間滞在していて、たまたま友人が稲取に来ていたことがわかったのでそのうち2日間稲取に滞在し、直感的にこの町いい場所だなと思っていました。

滞在中に東京でいつも一緒にいた友人が訪ねてくれたときに、「すごくいい表情をしているね。普段東京で会うときと違うね。」と言われ、「あ、なんか私いつもと違うんだ。」と思い、自分の中のちょっとした変化に気がつきました。

 

頑張ってもいいし頑張らなくてもいいし、頑張りたいけど今じゃないなという人にこの町での滞在が向いている気がしていて、のんびりするなかでエネルギーを蓄えていくというような過ごし方がありそうだなと。

移住してから訪ねてくれた友達が、来たときと帰るときの表情が見違えていたのを見て、この町で良い滞在をしてくれたんだなあと感じる時もありました。

不破さん
不破さん

荒武
荒武

ご友人も町の魅力に癒やされたんですね!不破さんのホスト力の賜物でもあると思います!

この町との出会いは然るべき発見だったのか偶発的な発見だったのかどちらだったんでしょう?

また、発見した後はどのように関わり合いを深めていったのでしょうか?

出会いについては偶然と必然、どちらも当てはまりそうだなと思っていて、この町にいたら何か見つけられそう、開放されそうだから、その方向に意識的に頻度を増やして通ってみようと決めました。

ここがいいと思えるほどきれいな景色があるのと、東伊豆って一見通過点になりそうな地域だと思っていたのですが、ここに根を張って生きている人たちに興味を持って通っていたというのもあります。

いざ暮らしてみると感じるのは、地域との関わりって細かく分けると人との関わりの集積なんだなということで、人との接点が多い地域だという印象を持っています!

東京は人が多いけど関わり合うことはなく、東伊豆にいるとすれ違う人とも自然と会話が生まれる。

東京と比べるとコミュニケーション量がこの町は圧倒的に多いと思います。

ダイロクキッチンのチャレンジショップで2時間ほどお手伝いをしたことがありました。

へとへとに疲れて近所のお肉屋さんに立ち寄ると、チキンカツを3個もおまけしてくれました!

「疲れすぎてるよ、食べな」と笑い飛ばしながらサービスしてくれたのがすごく嬉しかったです!

ありがとうを言う相手が誰なのかわかるって素敵なことなんだなと。

商売主がフロントに立つから、美味しかったときにありがとうと直接言えることがこの土地の面白さのひとつだなと感じています。

不破さん
不破さん

荒武
荒武

人との距離感が近いのは魅力的ですよね。暮らしていくうちにすれ違う人がみんな知り合いなんてことになってくるかも!

不破さんは持ち前のコミュニケーション能力ですでに町の人たちからの認知を獲得されている気がしているのですが、どうやって地域の人達と溶け込んでいるんですか?

家を借りることが決まってから、私の知らない人までもその家に私が住むことを知っていたり、私の知らないところで私の話が出ているのはなんでだろう?と思うことがありましたね。

稲取に住むまでに通っている期間が半年程度あったというのもあり、突然移住した人というよりは稲取好きな人がいると認知されていたのかもしれません。

私の噂をしてもらいやすいような自己開示を心がけていました!

給湯器がなかなか家に付かないという話とか、看護師だったけど今は会社員している話とか、初対面の人とコミュニケーションを取りやすくしたいなと思って、会話が弾みやすいように情報の切り分けをやってたなあと思います。

でも実際はそんな風にたくさんの人に認知してもらえるとは思ってもいませんでした。

看護師をしていたときに、患者さんが私と話して5分でも楽しい思いをしてくれたらいいなという、お土産を持っていくような感覚でコミュニケーションを取っていたので、それが今の暮らしでも生きているんだと思います!

不破さん
不破さん

荒武
荒武
そのコミュニケーション能力の高さ、不破さんから学ばなくては

あと私の興味があることとしてはコミュニケーションは生物(なまもの)だと思うから、その日に会ったら次に会う約束をすることを意識しています。

初日に話すハードル下げて、次会うときのコミュニケーションが円滑になるように二手目を早くするということを意識してやってて、昨日カフェで知り合った下田に住んでいる大学生と今日はこの後カフェに行く約束をしました!

 

こういうコミュニケーションスタイルになった原点は、看護学生時代の旅行でした。

当時は忙しくアルバイトがあまりできなくて、安いお金でどのように長期で旅行するかを考えた際、泊まれるのは複数人がドミトリーで宿泊するようなゲストハウスで、その日泊まる人たちと友達になれたら安心してそういったところにも滞在できるため編み出したコミュニケーションスキルです。

 

日本でも海外でも旅行は一人で行くことが多く、旅先で仲良くなった人と翌日一緒に観光に出かけていました。

そこでは計画外の楽しいこともトラブルも起こり、それって大概おもしろいんですよね。

トラブルが起こるのも旅の醍醐味だし、本来行くはずなかった場所に行けるというのも面白く、同じ場所でも誰と一緒にいるかで見る視点が違う。

人一倍別の視点を持った他者との違いを知ることに関心があるので、そういう旅のスタイルを楽しんでいました。

不破さん
不破さん

荒武
荒武

旅の道連れでその時々でしか味わうことができない予期せぬ出来事を楽しむって特別な経験ですよね!

この町での暮らしって不破さんの旅のスタイルと比較するとどんな違いがありそうですか?

とても近いと思います!!

この町での暮らしや出来事は植物が育つように根を張っていく感じに似ている気がして、芽が育つ土壌があるなという感覚です。

訪れる人を迎える立場である人たちの役割は、何かをしてあげるというよりはその人の居心地のよさを確保してあげるということ、そうしたら勝手に関係性が育って迎えられた人も根を張っていくようになるのかなと考えていて、それが持続性のヒントになる気がしています。

 

よく思うのは、私たち移住者はエンターテイナーではないから、訪ねてくれる人を楽しませることはする必要がなく、ホストとして迎え入れてくれているんだなという感覚を持ってもらえたらいいなということです。

 

力を入れるべきはハード面の整備というよりは、協力して居場所のいい場所を作っていきましょうというスタンスだと思うので、何かを提供するということはしなくていいのではないでしょうか?住みたい人はどんな障害も乗り越えられると思いますし。

足るを知るというか自分が満ちている状態ってどんなものなのかを再定義する指標があるかもしれないと考えていて、東京だと全部溢れている物事もここだと何かが足りていない状態です。

そういった環境を逆手に取って、自分のどこが満たされると自分は満足するのかを再定義することが有効なのではないかと考えています。

不破さん
不破さん

例えば私の家にまだ給湯器はないけど温泉に行けば問題ないし、キッチンの備品も何もないけど生活には困っていないんですよね。

自分がないと困るものも分かるようになるから、お金で解決しない問題もあったりするから、協力し合うことが必要になってきて結束力が生まれる。サバイバルと紙一重かもしれないのですが、十分な暮らしだと思っています。

 

まちづくりについては、「作る」という表現よりは町に住んでみんなでクリエイティブに「創る」イメージが近いなと思っていて、本来労力がかかるからやれないけど、この町はこれからすごく良い事例になっていく気がしています。

不破さん
不破さん

荒武
荒武

これまでの文脈ももちろん大切にしながら、時には偶発的な出来事も糧にして創造的な暮らしを繰り広げていけたらいいですよね!

最後に、不破さんの感じているこの町の魅力ってどんなところにありますか?

私自身小さい頃に合唱祭や体育祭の練習に参加しなかった過去があります。

みんながやっていることだから自分もやって当たり前みたいな考え方が受け入れられなかったんです。

目的がないのにクラスで団結しましょう、みんな同じことやりましょうということの意味が理解できずに学校から脱走して先生に追いかけられた思い出もあります。

 

最近EASTDOCKの美化についてを利用者の間で考えたんですが、みんながハッピーになれるように運用を考えてみるということとかは組織っぽいけど気持ち悪さがなかったんですよね。

 

この町に暮らすことを決めた理由の一つに、枠にはまらなくていいんだということを感じることができたということがあります。

そのままでいいんだよという、存在を受け入れてくれる場所なので、心理的安全性がすごく高いなと思っています。

EASTDOCKに出入りしている人たちとは一緒にご飯も作るし仕事もするし、ともに暮らしている感覚だからいいところも悪いところも見える事もあったりはしますが、人格を否定しない人たちと暮らせる町だから居心地がいいんだろうな。

 

今思っているのは、原点というとあの日とかその時の瞬間最大風速を単位として切り取りがちだけど、私の場合この町に住もうと思ってからの半年間が原点になる体験だなと思っています。

そのストーリーをどこかに綴っておきたいなという気持ちも持っています。

これまでは社会的な評価を気にしながらその枠組の中でやりたいことを決めていたんですが、今はどこにいたいのかとか、誰といたいのかとか、何をしたいのかっていう、根源的な欲求のままここにいられるようになって、すごく人間らしい生活が送れているんですよね。

自分てこういうことを望んでいたんだなっていう発見ができたという意味合いにおいて東伊豆町との出会いは私にとって大きな出来事でした。

不破さん
不破さん

荒武
荒武

ありのままの自分を受け入れてくれて心理的安全性の高い町ということを感じながら暮らしているんですね。

同年代のコミュニティがあることも魅力の一つですよね!

不破さんのお話を聞いていて自分もお話してくれた部分に魅力を感じて暮らしていることを改めて考えることが出来ました!

これからも自分たちらしく暮らしていけたらいいですよね!

本日はインタビューありがとうございました!