INTERVIEW

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 東伊豆町民インタビューNO.3 稲葉敏章さん

大川
稲葉敏章さん
清月堂

東伊豆町民インタビューNO.3 稲葉敏章さん

大川駅にふらっと立ち寄った際に出会った、駅前のお菓子屋さん「清月堂」さん。
出てきた店主は、初対面の私にも気兼ねなく話をしてくださり、人当たりの良さからその場で東伊豆通信のインタビューを依頼し、後日インタビューを受けていただく運びとなりました!
今回は、東伊豆町の大川地区のブランド菓子店「清月堂」の二代目である、稲葉敏章さんをインタビューさせていただきました!

荒武
荒武
こんにちは!
稲葉さんが清月堂の店主となるまでのお話をお教えください!
高校生の時に父が亡くなって、和菓子と洋菓子の修行をしてきました。
京都で2年和菓子を学び、伊東で2年洋菓子を学び、清月堂に戻ったのが22歳です。
和菓子はこれまでいた職人さんが担当していたので、最初私は洋菓子を担当して作っていました。
それから今に至るまで、清月堂の店主として働いてきました。
稲葉さん
稲葉さん
荒武
荒武
和菓子だけでなく洋菓子の修行のご経験もあるのですね!
どうりでショーケースには素敵なケーキがたくさん並んでいるわけですね!
そんな清月堂さんのお菓子のこだわりポイントを教えていただけますか?

販売しているお菓子の材料はいたってシンプルです。
シンプルなことが一番難しいけど、おいしいと思っていて、シンプルな材料で分量だったり温度湿度など様々な環境条件に合わせた微調整をしながら丁寧にお菓子を作っています。
長い日には仕込みの時間も合わせて16時間仕事をしていることもあります。
アップルパイも、パイ生地からリンゴを煮るところまで手作りにこだわりっています。
その中でも、「さざえ最中」と「成金豆」は先代から販売されていて地元から遠方のお客さんにまで人気な商品です。
サザエ最中の「最中種(もなかだね)」は60年以上前に清月堂オリジナルの型を製造し使い続けています。
今はお菓子作りが盛んな石川県金沢市の製造業者にあのサザエを作ってもらっています。
つぶあんの小豆は創業時から今日まで北海道の十勝産しか使っていません。
稲葉さん
稲葉さん

清月堂名物の「サザエ最中」

荒武
荒武
なるほど!
清月堂さんのお菓子は、稲葉さんの熟練の業が成すお味なのですね!
私も以前清月堂さんのお菓子をいただきましたが、とても美味しかったです!
ひとくち食べてファンになりました!
清月堂のお菓子は清月堂さんの店舗の他に購入できる場所はあるのでしょうか?
購入できるのはうちの店舗だけです。他のお店には卸していません。
大川に清月堂のお菓子を買いに来ることを目的として訪れてくれる人を増やしていくこと、それが観光に紐付いてくるのではないかと私は考えています。
こんな田舎にまで買いに来てくれる人たちに本当に感謝しています。
もちろん地元のお客さんたちから愛されてなんぼの商売です。
みかんを知り合いからもらったときには、お客さんにサービスしたり、梅が収穫できる季節には梅ジュースをお出ししたり、なにもないときは飴をお渡ししたりと、来てくれたことへの感謝の気持ちとして「ちょっとしたサービス」を大切にしています。
稲葉さん
稲葉さん

インタビューをしている途中にもお客さんが立ち寄ってくれます
お客さんが退店するタイミングには稲葉さんから
アメのちょっとしたサービスが
きっとこのちょっとしたサービスを続けることこそが
清月堂ブランドを作り上げているんだなと思う瞬間でした!

荒武
荒武
清月堂さんが地域に愛される場所になっている理由がわかりました!
そんな稲葉さんが地元に期待することってどういうでしょうか?
自分自身がずっとここに住んでいるから、地域の魅力は見えにくくなってしまっていますが、大切にしていきたいと考えているのはお祭りやお寺を守っていくことです。
自分自身も自分が持っている知識を下の代に語り継いでいかないといけないなと思っています。
子供の出生率も低下しているし、これには大変危機感を抱いています。
昔、町の観光審議委員会に所属していたときは、地域に既に存在する魅力的なもの、例えば石垣・山林・小川などに注目して観光事業に当時取り組んできました。
それはまさしくこの土地に来ないと見ることができないもの、体験できないものでした。
自分自身のお店もここに来ないと買えない!という存在になりたいと考えて経営しています。
最近になって、またそういった地元に眠っている資源が注目され掘り起こされるようになってきた気がします。
だからこそ町外出身者も移住し、この土地に魅力を見出してくれている。
彼らにはきっと東伊豆の当たり前の物事が新鮮に写っていて、日常だったりすでにこの土地にあるけれども眠ってしまっている資源を見つけやすい目を持っているのではないかと思っています。
私は自分たちの町を新鮮な目線で見てくれる彼らのことを地域側の人間として、影ならが応援しています!
稲葉さん
稲葉さん
荒武
荒武
移住者に対して、よそ者目線で地域の魅力を掘り起こしてほしいという思い、移住者である自分としましても大変ありがたく思います!
住み続けると薄れてしまう感覚だと思うので、常に気をつけながらこれからも東伊豆町の魅力を探していきたいと思います!
稲葉さん、ありがとうございました!


取材のあと、ショートケーキとアップルパイを買って帰りました。
おいしかったです!!