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東伊豆町民インタビュー 鈴木拓海さん、太田乃善さん(後編)
後編はノッカルの現役ドライバー、太田乃善さんにお話をお伺いしていきます。太田さん、早速自己紹介をよろしくお願いいたします。
ノッカルのドライバーをしている、太田乃善と申します。東伊豆町出身です。高校卒業後に一度故郷を離れましたが、家業の牛乳販売などの手伝いをするため、24歳の時に再びこの町へ帰ってきました。仕事と並行して、地元の消防団、バレーボールクラブを中心としたスポーツ支援員、地域を巡回する防犯活動「青色防犯パトロール」にも参加していました。
現在は仕事や活動を引退したため、私自身の通院がある日以外はノッカルのドライバーとしてほぼ毎日活動しています。

ほぼ毎日!?ご自身の生活があるにも関わらず、住民のため、地域のために活動してくださるとは…本当にありがたいですし、頭が下がります。
ドライバーになるきっかけなどは何かあったのでしょうか?
私自身が「相手に与えた善は自分、もしくは自分の大切な人に還ってくる」という信条を持っているからです。自分自身の行動が誰かの役に立ったり、地域の活性化につながるのがとても嬉しいのです。
素晴らしいです。懐がとても深くて優しい太田さん、信条の元となった出来事やエピソードなどがあれば教えてください。
私が先ほどお話しした心情を掲げるようになったのは、過去の自分のような辛い経験を誰にもしてほしくないからです。実は幼少期、両親から愛情を注いでもらえない環境で生活しており、虐待に近い行為も日常的にされていました。
そのため高校卒業後は家出のような形で東京都へ上京しました。上京先で得た仕事は大変でしたが、だんだんとお得意様も付き、着実に売り上げを出すことができていました。しかしそれを理由に先輩からいじめられたこともありましたね。その時は大変でしたが、今振り返れば精神的に鍛えられた良い経験です。
私は辛い経験を「神に与えられた試練」だと思い、それらを乗り越えることを楽しんでいます。そのおかげで様々なことを学び、多くの人に出会う機会に恵まれました。そのため今後も誰かの役に立つことで、自分や自分の周りの人に良い出来事が訪れるよう願っています。
辛い経験を何度も乗り越え、その経験をさらに生きる糧にし続けてきたのですね。太田さんの優しさは過去を乗り越えた強さの証であると感じることができました。
ノッカルの話に戻ってしまうのですが、太田さんは全体の便のどのくらいを運行して下さっているのでしょうか?ほぼ毎日運行されているとのことだったので気になりました。
日によって利用者の数が変動するので確実な数字ではないのですが、全体の6割程度は私が運行しているそうです。他のドライバーの方もいらっしゃるのですが日中は仕事や家事をされている方が多いので、必然的に比較的時間に余裕のある私に予約が集まりやすいようです。
全体の6割も!スーパードライバーですね!毎日多くの便を運行していると思わぬミスやトラブルに見舞われることもあると思うのですが、そういったことが今まで起きたことはありますか?
予約がある日は当日にミスをしないよう、前日の夜に運行ルートを決めておいたり、手帳に必要な情報をまとめたりしています。そのためミスはまだないですかね。
まだ大きなトラブルにも見舞われていませんが、予約していたはずの利用者さんが停留所にきていない、逆に予約されていない利用者さんが停留所にいるなどといった、行き違いや勘違いなどが起きている場面には多々遭遇しましたね。利用者は高齢者の方が多いので、ある程度そういったことが起きてしまうのは仕方ないかなと思っています。

すごい!端から端までスケジュールがびっしりですね!
利用者は高齢者の方が多いということですが、運転する際に気をつけていることなどはあるのでしょうか?
やはり安全面です。完全に停車する前にドアを開けてしまったり、降車したりしようとする方がいらっしゃるので、思わぬ転倒や怪我防止のために発進前は必ずドアロックの確認をしています。
また利用者の中には軽度の認知症や身体が不自由な方もおり、一人ではうまく座席に座れないことがあります。そのためそういった方々の乗り降りのサポートも積極的にしています。介護士などの資格は持っていませんが、青色防犯パトロール活動でもそういった方々と接する機会があったので、今までの経験を生かすことができています。
今までの経験がノッカルドライバーとしてのお仕事の中でも役立っているのですね!様々な経験をされてきた太田さんだからこそできることが沢山ありますね。利用者の方からも頼りにされていると思います。
現在ドライバー不足が課題となっているノッカルですが、太田さんはどのように感じていますか?
確かに人手不足を感じています。少ない人数で運行しているため、急な体調不良などになった際は役場職員の方にシフトを代わっていただく形になってしまいます。そうなると職員の方が本来やるべきだった仕事に支障をきたしてしまいます。また予約の受付も職員の方がやってくださっているので、ノッカルに人手がさかれてしまう日もあるとお聞きしました。そのため消防団のように自分の生活と両立しながら無理なく取り組めるような仕組みを作ったり、予約・受付担当の方を在籍させたりするといった対応が必要ではないかと考えています。
また、女性にもドライバーとして活動してもらえたら良いですね。女性だからこそできる利用者への対応や配慮などが安心感にもつながると思うので、ぜひ力を貸していただきたいです。
自分の生活とノッカルでの活動、どちらもバランス良く取り組むにはやはりドライバーの確保が必須ですね。性別にとらわれず、少しでも気になった方はぜひドライバーになることを検討してもらえたらと思います。
最後に、太田さんがノッカルのドライバーをやっていて「良かったな」と思える瞬間などがあれば教えていただきたいです!
やはり利用者の方に「ありがとう」と言われた時ですね。少しでも誰かの役に立てた時は本当に嬉しい気持ちになります。今までもこの一言のおかげで何度も救われてきました。
ドライバーをすることで利用者の助けとなり、その小さな積み重ねが広がっていくことで町全体を盛り上げることにつながります。そのためもっと多くの方にノッカルというサービスや、ドライバーの存在を知ってもらいたいです。また「地域のために何かしたい、でも何をしたら良いのだろう?」と迷っている方には、ノッカルのドライバーになるという手段もあるのだと知ってもらいたいですね。

鈴木さん、太田さん、この度は貴重なお話をありがとうございました!インタビュアーである私自身もとても勉強になりました。
ノッカルについてもっと知りたい方は東伊豆町のHP(https://www.town.higashiizu.lg.jp/soshiki/kikaku_cyoseika/2/19/20/530.html)にアクセスして詳細をご確認ください。
利用希望者やドライバー希望の方は東伊豆町企画調整課〈0557(95)1100〉まで、お気軽にお電話を!