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北川
野崎元広さん
大屋丸

東伊豆町民インタビューNO.2 野崎元広さん

今回は、東伊豆町北川地区の区長さんも務められた、野崎さんにインタビューをさせていただきました。
野崎さんは、昭和21年生まれ高校卒業まで東伊豆町で暮らし、大学から20年ほど前まで大手建設会社に勤められて、北川にUターンされました。

荒武
荒武
本日はよろしくお願いいたします。
野崎さんは北川へUターンされたということでしたが、Uターンして北川でどのように過ごされてきたのですか?
北川に戻った後は、実家の旅館「大屋丸」を継ぎました。今まで勤務していた建設業から「今日から旅館のおやじ」と旅館の仕事にすぐ切り替える必要がありました。
また、旅館を継いだタイミングに地元に気が合う同年代が多く、望水(旅館)の現社長さんたちと観光業に携わる人たち、地元住民とで、みんなで一つになってまちづくりを一緒にやっていこうという雰囲気作りをしてきました。
こういった動きを地元で作ることができたのは54歳に早期退職して余力があったからだと思います。
そして、平成26年から4年間、区長を務めて、地域の取り組みに関して様々な仕事をしてきました。
野崎さん
野崎さん
荒武
荒武
野崎さんはUターンされた当初から、今に至るまで北川の地域づくりの第一線でご活躍されているのですね!
また、北川と言ったら「定置網漁」が有名です。
いつも東伊豆で鮮度抜群の美味しいお魚にありつけるのは北川漁港に定置網漁があるおかげだと思います。
そんな北川の定置網について教えていただいてもよろしいでしょうか?
北川の定置網は大敷網という仕掛けを北川漁港の目の前の海に設置して、漁が行われます。
『豆州志稿』(ずしゅうしこう)という昔の伊豆のことについて記載された書物によると、北川という地名は古くは堀川村と呼ばれており、遡ると1800年には漁業を生業として村が形成されていたことがわかっています。

また、定置網漁は、根拵網「ねこさいあみ」とも呼ばれることから、この「ねこさい」という言葉を用いて、観光イベント「ねこさいの日」を行っています。
このイベントは4.5月に北川の定置網漁でその日に水揚げされたお魚を焼いて観光客へ振る舞うというものです。
定置網では主に冬のブリ・イカをはじめとして、夏場にはサバやアジを代表にその他様々な魚が水揚げされます。

野崎さん
野崎さん

定置網漁の説明をするために野崎さんが作成された資料

私が子供のころは、漁師さんを手伝ったらお駄賃としてブリがもらえました。その他にもお隣さんが朝からアジのたたきを作っている音で目が覚めたり、時期になるとイカが漁港に干されている風景を見ることができたり、漁業を中心に地域の様々な物事が回っている地域です。
野崎さん
野崎さん

いわしを干している北川らしい風景を野崎さんにご提供いただきました

近隣の飲食店もここの定置網漁から直接買い付けに来ており、東伊豆町内にも北川で水揚げしたお魚が食べられるところが存在します。
しかしなんといっても北川の魅力を知ってもらう一番の方法は、新鮮な魚介を自分の舌で堪能してもらうことですね。
野崎さん
野崎さん

…そう言ってお出しいただいたのは、なんと定置網漁で今朝水揚げされたばかりのイカのお刺身&イカの肝&季節のおかずたち!!!

 

獲れたてのイカは、へたらないのが特徴。
コリコリな食感がたまりませんでした!

 

お刺身以外の料理もとても美味しく、さすがの腕前を奥様よりご披露いただきました。
美味しいイカをしばし堪能し、インタビューに戻りました。。。笑

 

荒武
荒武
ごちそうさまでした!
新鮮な北川の海の幸をいただいて只今最高の気分です!
北川の魅力をこの身を持って感じたところですが、他にも魅力的なことはありますか??
北川は温泉地として宿泊施設が大小あります。
伊能忠敬の測量隊が残した資料によると、1815年には海岸線に露天風呂が湧いていたという記述が残っており温泉地としての歴史もあります。
とある北川の宿泊施設に務めている仲居さんが、お客さんから北川の近海に設置されている定置網について聞かれたときに答えられなかったという話を聞いたことがあり驚きました。
地域の歴史でもある定置網をもっと地元企業の従業員さんにも伝えていかねばならないと、北川の仲間と北川の歴史や文化をみんなに知ってもらう活動を行っています。

観光に関しては、北川の「なかや」さんで購入できる、クラフトビールの「ブルームーン」があります。
こちらは満月の前後数日間に北川の海から眺める月の出によって生まれる月光の道「ムーンロード」にちなんで、コラボしている商品になります。

野崎さん
野崎さん

ムーンロード(写真提供:鳥澤善久さん)

また、10月26、27日に開かれる北川のお祭りでは、昔から漁の神様に「鹿嶋踊り」を納めていました。
この鹿嶋踊りは私が子どものころ一度途切れてしまったのですが、地元の有志で「鹿嶋踊り保存の会」を作り復活させました。
北川地区はコンパクトな地域ということで、仲間意識が強く、物事がスピーディに進んでいく特徴があると思います。
北川にある黒根の岩風呂を管理する団体も組織していて「湯守人」と書かれた帽子をつけて管理しています。こういったアイテムが有るのと無いのとでは湯守り人としての意識も変わってくるのです。
野崎さん
野崎さん

自分は北川の協力隊とにこやかにお話してくださる野崎さん

荒武
荒武
北川にはたくさんの魅力があるということがお話をいただく中でも伝わってきました!
そんな魅力的な北川に野崎さんが希望を抱いていることはなんでしょうか?
北川の人口は約160人で私達の子供の年代である40代がまとまっています。
無いものねだりではなく、あるもの探しをし、少数精鋭で身の丈に合う取り組みを進めていってもらえたらと思っています。
また人口が減っているのだから、よそから来る人も受け入れて、地元の人間と違う目線で地域を見てもらい、一緒にまちづくりができるといいなと思っています。
野崎さん
野崎さん
荒武
荒武
柔軟な発想に大胆な行動力。
とても勉強になることをたくさん学ばせていただく時間をいただきましてありがとうございました!
野崎さんの予想外の最高のおもてなしに私の心は北川に鷲掴みにされてしまいました…
北川にまた来よう…