INTERVIEW

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 東伊豆町民インタビューNO.64 佐藤太知さん

稲取
佐藤農園
佐藤太知さん

東伊豆町民インタビューNO.64 佐藤太知さん

荒武
荒武

今回は佐藤農園の佐藤太知(さとうだいち)さんにインタビューさせていただきます。

太知さんは稲取地区でキウイ農園を営まれている一児のお父さんで、僕が移住して間もない頃からいつも仲良くしてくださっているお方です!

本日は、太知さんのこれまでとこれからについて色々と伺っていけたらと考えているのでどうぞよろしくお願いいたします。

まず、太知さんはお隣の西伊豆町出身とのことですが、東伊豆で就農するまでの経緯をお教えいただいてもよろしいでしょうか?

よろしくお願いします。

出身は西伊豆町で大学進学の際に東京に出て卒業後は2つの会社に勤め、日本語が喋れない海外の人と仕事をしたことがきっかけで、日本から出ていろいろな国の人に会ってみたり、その土地の文化に触れてみたいと考えるようになり、思い切って自分の世界を広げるためにワーキングホリデーでオーストラリアとニュージーランドへ行くことにしました!

ワーホリでの滞在ビザを伸ばすためにそれぞれの国が指定した産業や仕事に一定時間従事する必要があったため、その土地の農作業を手伝うことになりました。

ニュージーランド滞在中にキウイと日本の品種のみかんを作っている農園のお手伝いをしたことがきっかけで、自分もキウイ農家になることを目指します。

帰国後に訪ねた県内のキウイ農園にて、西伊豆町に近い稲取のキウイ農家さんをご紹介いただきました。

まさかその紹介先が日本で最初にキウイを市場に出荷した歴史ある農園だとは思いもしませんでしたが、そちらの農園にて研修を受けながら最終的には畑の継承をさせていただけるという形で話が順調に進み、静岡県の農業経営の移譲・継承サポートも受けながらキウイ農家になる準備をしてきました。

佐藤さん
佐藤さん

荒武
荒武

ご縁がつながって、日本で最初にキウイが出荷された農園にたどり着いたとは強運の持ち主ですね!

ご苦労はたくさんあったと思いますが、就農支援のサポートも受けることができる環境で研修ができたということ、手堅く夢の実現にむけて準備を進めてこられたんだなと感じました。

佐藤農園さんでは、キウイの他にどのような農産物を生産・出荷されているのでしょうか?

キウイの他には、青島みかん、ぽんかん、ニューサマーオレンジ、橙(だいだい)といった複数の柑橘類の品種を作っています。

キウイについては、これまでヘイワード種という一般的な緑の果肉のキウイを育ててきましたが、東京ゴールドというキウイの品種を植え始めました。

東京ゴールドは病気に強く、剪定も作業時間が現在の半分まで時間を削減できるという見込みなので期待して成長を見守っています!

佐藤さん
佐藤さん

荒武
荒武

伊豆を代表する柑橘類も多様に取り扱われているんですね。

太知さんご自身は、佐藤農園の運営や農作物について、どのような特徴や工夫があると考えられていますか?

自分が受け継いだ今の畑は冬に収穫をまとめるように設計されていてそれは一つの特徴だなと思います。

収穫までは少人数で手入れをし、収穫シーズンになるとパートさんなどに来てもらい大人数で一気に収穫するという農場運営で、この方法は研修元の農園さんが地縁のある人だからこそできることだなと思っていて、移住したての僕のような農家では人を集めるのが大変です。

それなので、自分たちならではのやり方を作っていく必要があると思っていて、これからは取り扱う品種を少しずつ変えながら収穫の時期をずらして少人数で日々の手入れも収穫も行えるような体制に変えていきたいと思ってます。

佐藤さん
佐藤さん
荒武
荒武

なるほど、地縁のある農家さんと新規就農される農家さんでは効率的な農園の運営方法が変わってくるということ、新しい発見でした!

先祖代々大切にされてきた土地を他者に委ねるということ、託す側も受け継ぐ側も覚悟が問われることですよね。

人口が減っていってしまい後継者が不足していたり、耕作放棄地が増えるなど農業の領域においても社会問題として取り扱われるテーマが複数あると思いますが、太知さんと研修元の農家さん、両者の英断は世の中にとって意義深い選択だったんだと思います。

少し熱くなってしまいました(笑)

僕らもよくお世話になっていますが、東伊豆のことを知りたいという人やこの土地ならではの体験を求めてくる人を佐藤農園さんは温かく受け入れてくださっているなと日々感謝しているのですが、新しい人の出入りを受け入れるということについてどのようなお考えがあるかお教えいただいてもよろしいでしょうか?

農作業を楽しんでもらって、東伊豆や佐藤農園のファンになってもらえたらいいなと思いお手伝いのみなさんを受け入れさせてもらっています。

極力休憩時間を長くとって、コミュニケーションの時間を大切にするなどの工夫をしています。

毎回が花粉付けや収穫など、珍しい作業があるわけではないので突発的なお手伝いにも対応できるように準備しておきたいなと考えています。

お手伝いしてくださる方を受け入れてて面白いなと思うのは、手伝ってくれた人が忘れた頃に数年ぶりに農作業手伝いをしにきてくれたり、卸先のジェラート屋さんがお手伝いに来てくれたり、他のフルーツサンドのお店にもうちのキウイをおすすめしてくれて販路が拡大したこともありました。

農作業のお手伝いを通して、様々な人に知ってもらうことで農園の可能性が広がっていっている実感がありますね!

佐藤さん
佐藤さん

荒武
荒武

なるほど、東伊豆にとっても佐藤農園さんにとっても人に認知してもらうことで様々な可能性が広がっていくわけですね!!

ちょっとした宣伝をはさみますが、佐藤農園さんは滞在中に指定のお手伝いをすると東伊豆への交通費が補助されるという東伊豆町の「関係人口応援事業補助金」のお手伝い先としても受け入れられています!

話は変わりますが、一児の父としての太知さんですが、東伊豆での子育てライフをいかがお過ごしか教えてもらってもいいでしょうか?

伊豆は自分自身も育ってきた環境ということで、同じような自然に囲まれた中で子育てできていることに充実感を感じています。

近所の人も仲良くしてくれていて、隣に住む小学生が家に来てまだ小さいうちの子と遊んでくれたり、ご近所さんが子どもを預かってくれたり都会じゃありえない暮らしだったんだろうなと。

病院はちょっと遠いですね。子供が産まれるにも陣痛が来て車で30分かけて病院まで行かないといけないという環境なので何かあったときは心配だなと思うことがありますね。

あとは農園にも来てくれることがあって、今からキウイとみかんをやるって言ってくれてます!

佐藤さん
佐藤さん

荒武
荒武

なんと!お子さんも将来有望ですね!!

自然環境や土地に暮らす人たちの距離感が近いことは、僕もとても魅力に感じています!

人同士の距離が近い理由の一つには、支え合うことで病院が遠いことや都会的な便利さがないことを補うという一面もあるのかなと思いました。

 

最後に今後の佐藤農園さんの展望をお教えいただいてもよろしいでしょうか?

まず第一に今の畑をやりきることだなと思っていて、収穫時期を分散させるためゆくゆくは10月あたりに収穫できる極早生(ごくわせ)などのみかんの品種を生産していきたいです。

それにあたって、常時働いてくれる人を一人増やすことを考えています。

合わせて農作業お手伝いのボランティアさんの受け入れは引き続き担えたらいいなと。

地元宿泊施設さんと提携して、果樹のオーナー制度も実現できると、地域事業所にも貢献できるし、佐藤農園の話題も広げていけそうです。

佐藤さん
佐藤さん

荒武
荒武

地域と農園が相互発展するといいよねという考え方を太知さんはお持ちなんだなあとお話を伺わせていただきました!

そのお考えに共感ですし、今後さらに連携を深めさせていただきたい!と改めて思いました!

佐藤農園さんのさらなるご発展を願っております!

今回はインタビューにお答えいただき誠にありがとうございました!